古い居場所と新しい風
昨年引越しをしました。
引越し先は隣町で、前の家から歩いても10分程度の近所。
通勤の風景は多少変わったものの、馴染みのある場所なので慣れるのには時間はかかりませんでした。
引越しから半年。
前の家(マンションの一室)には既に買い手が着いたらしい。母が元お隣さんから聞いたところによると、押し入れで隔てられていた両隣の部屋がひとつにまとまる工事もされたとか。
へー、と思いつつも近くを通る用事もないためそのまま日々が過ぎていきました。
そして今日。
先日クリーニングに出した服を受取ついでに、ふと思い立ってマンションの敷地を通り過ぎてみることに(マンションとクリーニング屋さんがめちゃくちゃ近いんです)
以前の家に洗濯物がかかっているのが見えました。
パッと見はすごく見慣れた風景。
でもあそこにかかっている洗濯物はひとつとして我が家のものではないし、インターホンを鳴らせば知らない人が出てくる。
今まで引越しに対して感傷的になった事はなかったけれど、自分が過ごした空間が誰かの生活の場に完全に描き変わっているのを見て初めて不思議な気持ちになりました。
リフォームによって使っていた部屋の面影もきっとなくなっているし。
外見は似ているのに全くの別物なんてパラレルワールドか何かみたい。
以前住んでいた者だけどもうここに居場所は無いですよ。
誰かの生活の風景を垣間見た事で改めて自覚する事となりました。
長く暮らした前の家にありがとう。
少しだけ感傷に浸った午後でした。